2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

赤松利市『ボダ子』を読んで。

本が泣いていた。 叫び声をあげながら、「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」と、懺悔するように泣いていた。そんなふうに思った。これは初めての感覚だった。 これが、『ただの物語』だったのならば、私はどれほど救われた気持ちになるだ…

村田沙耶香『コンビニ人間』を読んで。

強烈な個性は社会から排除される。 それは、社会を正常化するための修復作業であり、人間で喩えるならば免疫機能・代謝機能のようなものだ。不純物は廃棄され、古くなったものは入れ替えられる。代役はいくらでもいる。いくらだって量産できる。 そして、そ…