この本を紹介する前に諸注意……と言うか、あなたにこの本を読む覚悟があるのかどうか──という確認を先ずもってしておきたい。 と言うのは、この『純子』という作品、糞(クソ)の小説なんだよ。そんじょそこらに転がっている胸糞悪い小説とは明らかに一線を画し…
本が泣いていた。 叫び声をあげながら、「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」と、懺悔するように泣いていた。そんなふうに思った。これは初めての感覚だった。 これが、『ただの物語』だったのならば、私はどれほど救われた気持ちになるだ…
強烈な個性は社会から排除される。 それは、社会を正常化するための修復作業であり、人間で喩えるならば免疫機能・代謝機能のようなものだ。不純物は廃棄され、古くなったものは入れ替えられる。代役はいくらでもいる。いくらだって量産できる。 そして、そ…
本ブログでも一度紹介したことがある、第一回大藪春彦新人賞を受賞した短編小説『藻屑蟹』には、続きがあった。続き。続編。 一年前の昨日、電子書籍の無料コーナーで偶然見つけたこの本をすぐに読み、あっという間に度肝を抜かれたのをよく憶えている。ショ…
不条理。不憫。不潔。 人の愛という物が、一体どれほど醜く愚かしいものであるか、そしてまた、どれほどに儚く美しいものであるか。そんなことを残酷に、切り刻むように教えてくれる小説。もしも誰かに「純愛とは何ぞや」と問われれば、私は第一にこの小説、…
ごきげんよう。 どうやら今日は全国的にバレンタインというイベントの日らしいが、これは実にくだらん。この件に限った話ではないが、日本人は外国の風習に影響を受けすぎなのだ。日本には日本の風習。日本人には日本人の価値観というものがあるだろうに。な…
困ったことになった。 読書感想文という体裁上、ここに書く記事は飽くまでも"感想文"でなければならないわけだが、しかし、それに反してと言うか……このブログを書く上での自分ルールとして"出来る限りネタバレはしない"という制約を自身に課している所為で『…
アレッ……今回はずいぶん早めの更新になっているかと思いきや、もう前回の読書感想から一ヶ月も経ってしまっているんだね……。イヤ、例のごとく読書はしているんだよ。ただ、感想が書きづらいものばかりでね……これは前回も少し話したけれども、ミステリーが多…
ン……ンン……どういったことだろう……年が明けているような気が……ンン……ン……、かなり少なくはあるけれども週に一冊くらいは小説を読んでいるはずなのだが……読書感想文を書いていない……ハハ……アケオメ……。言い訳をさせてほしい。 いやね、最近はミステリばかり読…
ヒイヒイ、こりゃあ参った……三日坊主にも程があるってもんだ。 最後にここで読書感想文を書いてから既に四ヶ月も経っているなんて……イヤイヤまったく、思いもしなかったよ……。 なに、言い訳をするという事じゃあないんだが、その間に全然本を読んでいなかっ…
せわしなく日々を過ごしていたらオヤオヤ、読んでから随分と時間が経ってしまったようだ。ハハハ……ままならないものだよ、本当に。やれやれだ。 一ヶ月くらい経ってしまっているんじゃあないかな……その間、読書も出来ていなかったと言うんだから……まったくや…
ヤアヤア、随分と久しぶりだね。 前回の読書感想を書いてから丸一ヶ月も経ってしまっているのだから、そりゃあ、まあ、久しぶりのはずだ。それとも、初めまして、かな。 イヤア、本当は月に四・五冊くらいは読みたいんだけれど……恥ずかしながらも生憎、時間…
イヤア、こんな寒い時期にホラー小説なんて読むものではないね……全身の毛穴という毛穴が粟立っちゃって、寒くて寒くて仕方がなかったよ。今もこの記事を書きながら冷気と霊気にブルブル震えているわけだけれど……しかし、ズットそうしている訳にもいかないの…
どうやら重い話というのは、軽く語れば語るほど重くなるらしい。 たしか購入自体は一月の末頃だっただろう。金欠にも関わらずタイトルに惹かれ衝動買いした一冊だったが、どうにも文章のリズムが自分の歯車に噛み合わずに読んでは閉じ、閉じては読み……といっ…
※ネタバレは含みません。 なんと晴れ晴れとした気持ちであろう。 ここ何日か、やたら小難しい本と睨めっこをする日々が続いていたものだから、どうにも肩が凝って凝って仕方がなかったのだけれど……いやあ、今回の本の読みやすかったこと読みやすかったこと。…
※ネタバレは含みません。 やあやあ諸君、しばらくぶり……ではないね。アハ。そう、そうだよ。またしても夢野久作なんだ。ハハハ……いい加減キチガイ地獄に堕ちてしまいそうだよ。アハアハ。 今回はね、仲のイイ友人に勧められた『笑う唖女』を読んでみたのだけ…
※ネタバレは含みませんのでご安心を。 森見登美彦氏と言えば、『四畳半神話大系』や『有頂天家族』最近で言えば『夜は短し歩けよ乙女』など、アニメ化を中心に各所から度々注目を集めては高い評価を得ている人気作家の一人で、“京都を舞台に繰り広げられる大…
『読むと頭がおかしくなる』のキャッチコピーで読書家、又は愛読家の方々に広く親しまれている(?)夢野久作渾身の一作にして、その不気味さや構成の難解さから日本三大奇書にも数えられている変てこな本『ドグラ・マグラ(上下巻)』を、やっとの思いで読破し…